楽器製作博物館

これは、家を楽器博物館にしようと、せっせと製作をしている楽器たちの紹介です。
ヴィオラダガンバ製作過程を順次掲載中。

今までに製作した楽器
擦弦楽器

ヴァイオリン
 ヴァイオリンは16世紀頃から作られていますが,その頃製作されていたのはいわゆるバロックヴァイオリン、現在一般に使われているのはいわゆるモダンヴァイオリンです。ストラディバリウスのような古い楽器は、現在仕様に改造してあります。ちなみにこれはモダンヴァイオリンです。
バロックヴィオラ
 製作に5年を要した、と言ってもそのうち4年間はシーズニング(ほったらかしとも言う)ですが、バロックヴィオラです。無銘ですが、とても良く鳴る楽器をコピーさせてもらいました。このモデルは、アッパーバウツとロウアーバウツの幅の差があまりない、つまりアッパーバウツの幅が普通より少し広いというのが特徴です。

 裏板の装飾は、一応オリジナルデザインで、中心にはアワビの象嵌を入れました。指板はスプルースの心材を紫檀、メープルで挟んで作りました。ナットはツゲです。

 ちなみにモダン楽器との違いは、ネックが短いこと、ネックの仕込み角度、バスバーの大きさ、指板やテールピースの材質(モダンより軽い材料)などです。

トレブル・ヴィオラ・ダ・ガンバ
(トレブル・ヴィオール)

リュート、チェンバロと並ぶ花形古楽器ヴィオラ・ダ・ガンバには、トレブル、アルト、テナー、バスと、色々な種類があるが、これはトレブル(ソプラノ)。ヴァイオリン属の場合、チェリスト(バス音域)がヴァイオリン(ソプラノ音域)を弾くのは難しいが、ガンバの場合はバスが弾けたらトレブルも弾けます。

バロックヴァイオリン、ヴィオール用弓
弓は、図面や資料があまりなく、作りたいと思いながらもなかなか作ることが出来ませんでしたが、篠山の平山さんに図面と作り方を教わり、作ることが出来ました。まずは、あこがれのフレンチバロックボウ。左から、トレブルヴィオール用(ブナ材)、バスガンバ用(ブナ材)、トレブルヴィオール/バロックヴァイオリン用(エボニー材)。今までトレブル・ヴィオールはチェロの古典ボウで弾いていたので、これに変えると急にトレブルヴィオールが上手くなりました(私に関して相対的に、です)。バス用は、どうやら実際にバスで使うには軽すぎるようで、トレブル、または将来作るであろうテナーヴィオール用として使用できればと思っています。
 バロックボウは、モダンボウと異なりフロッグの毛の入れ方も弓先のそれと同じ方法(スライドやリングが無く、クサビで止めているだけ)ですので、毛替えが幾分難しいです。

バス
弦長72cm
テナー
弦長50cm
トレブル
弦長36cm
パルドシュ
弦長32cm
ヴィオラ・ダ・ガンバ 4兄弟
ヴィオラ・ダ・ガンバの合奏(ヴィオール・コンソート)には、おもにトレブル(ドシュ)、テナー、バスの3種類が用いられます。また、ヴァイオリン族が普及してからは、ヴァイオリン族のために書かれた曲をガンバで演奏するという目的で、さらに高音の「パルドシュ」がフランスで作られました。そしてついに私は、そのガンバカルテットを完成させてしまいました!!

ガンバには、ヴァイオリンの「ストラディバリウス」ように、標準的なモデルというものがありません。この4兄弟も、モデルはバラバラです(ということは兄弟ではない??)。ヴァイオリン族と違い、「・・・ガンバの材料」として売っているわけではないので、テナーのような中途半端なサイズ(弦長約50cm)の場合は、バス用サイズの材料から作らねばならず,ちょっともったいないです。まあ、材料の切れ端も捨てずにとっておいて、何かに使いますが。

ちなみにガンバにはいろいろな言い方がありますが、日本では呼び名の言語がバラバラなようです。ヴィオラダガンバはイタリア語、ヴィオル(ヴィオール)はフランス語、ヴァイオルは英語。パルドシュはフランス語なのに、トレブルのことをフランス語のドシュと言わず英語の「トレブル」を使うのが普通です。これは,主に使用された国に由来しているものと思われます。

撥弦楽器

マンドリーノ
この楽器はリュートに近い仲間ですが、ネックが大きく曲がっていないなどの違いがあってリュート族には入れないそうです。バロックマンドリンとも呼ばれますが,現在のマンドリンとは血縁関係がなく、弦は4度調弦で、ピックではなく指で弾きます。だからもちろんトレモロ奏法ではありません。ヴィヴァルディのマンドリン協奏曲はこの楽器のために書かれたものです。

表板はスロヴァキアのスプルース、リブはタモで作りました。

ウクレレ
適当な図面で適当に作ったウクレレ。サドルは肉屋で買った牛骨を削って作りました。リュートを作った直後にウクレレを作ると、なんと楽なことか!ゆっくり作って1週間ほどで出来てしまいました。

正面     後ろ

ロゼッタ

ペグボックス

バロックリュート
 その昔、ヨーロッパでは紳士の条件として、「歌が歌えて、詩が書けて、リュートが弾けること」というのがあったそうです。しかし、楽器の王様とよばれ、それほどまでに栄えたリュート属も、音量の小ささや、弦が増えすぎたことによる演奏の困難さ、調弦の大変さなどいくつかの理由により、バロック時代の終わりと共に衰退することになりました。しかし、この最後のリュートのために、J.S.バッハとS.L.ヴァイスという2人の作曲家が残したリュート曲は、数ある リュート音楽のなかでも最高傑作となりました。

表面板がシトカスプルース、リブとヘッドがメイプル、ネックはスプルース、指板は黒檀と花梨で、バスライダ(ヘッドから飛び出た部分)には黒檀も使ってみました。

アーチリュート
弦長60cmと番外弦96cm、「大型リュート」としては小型なのですが、あまり巨大な楽器を作ると演奏するのも大変だし、移動も大変、ついでに弦代も高いので、これでよしとしましょう。
 リュートの仲間は、バロック時代になると調弦が少しずつ変化しましたが、このアーチリュートはバロック後期までルネッサンスリュートと同じ調弦のままでした。ただ低音域は拡張され、14コースまであります。リュートでの通奏低音入門には最適の楽器かもしれません。フラット系の曲に向いています。
 
オルファリオン
古楽をやっている人にさえ,あまりなじみのないこの楽器は,1500年前後のイギリスで盛んに行われた「ブロークンコンソート」で用いられていました。その中で、リュートがソロ楽器であるのに対して,オルファリオンはチェンバロのような伴奏の役割を果たします。もちろん、コンソート以外では、歌曲を伴奏したり,ソロを弾いたりと、リュートと同じように用いられていました。

調弦はルネッサンスリュートと同じで、金属弦が張られています。波打ったボディは、おそらく金属弦のキンキンした音を胴内で乱反射させて柔らかくすることを狙ったものでしょう。そのおかげか、とても優しい音がします(弾き方の問題??)。

この楽器は、大阪在住のリュート奏者佐野健二さんに楽器を見せてもらって作りました。ロゼッタは羊皮紙張りのペアーウッド、ヘッドは私のオリジナルデザイン、バラの花です(大学時代、バラの細胞の研究をしていましたので)。

テオルボ
豊かな音量と充実した低音を備え、バロック時代にソロや通奏低音用として大活躍した14コースの大型リュートです。チェンバロと異なり音量をコントロール出来るので,歌曲から室内楽、オーケストラ、オペラの伴奏としても重宝されました。アーチリュートよりも2度高く調弦されるので,シャープ系の曲に向いています。

弦長が長いので,1,2コースは1オクターブ低く調弦されていて、すなわち3コースが最高音になっているのが特徴です。

指板内弦と番外弦の境目は楽器によって異なりますし、2〜6コースのみが複弦のもの、指板内弦(1コース除く)が複弦のもの、全ての弦が単弦ものなど、さまざまなものがあります。この楽器は指板内弦6コース、2〜6コース複弦という構成です。

ルネッサンスリュート(8コース)
J.ダウランドをはじめ、膨大なレパートリーがあるリュートで、単に「リュート」といえばこの楽器をさします。レスピーギの「リュートのための古風な舞曲とアリア」の原曲も、この楽器のために作曲されたものです。

この8コースの楽器は、もともとフラット系に向いたG調弦に加え,F,Dの低音弦をもつので、イギリスものの演奏に最適です。

ロゼッタ